病院という緊張する空間で測定された血圧のみで高血圧症と判断することは適切ではない場合があるというわけです。 仮面高血圧 最近、白衣高血圧の逆の現象が起こりうる事もわかってきました。 すなわち、病院・診療所で計測した時は正常血圧なのですが、しっかりと調べてみれば高血圧のレベルにあるタイプで、これを仮面高血圧と呼んでいます。 従来、白衣正常血圧などの名前で呼ばれていたもので、「隠れた高血圧」といえます。 以前から散発的には研究結果が発表されその危険性について指摘されていましたが、その存在が意外と多いことから最近になって注目されています。 病院・診療所で計測する血圧は正常なのに、実は心臓の肥大や腎臓病が静かに進行していたというような方にこのような仮面高血圧の方が増えているわけです。 検査方法 いわゆる随時血圧(病院で測定したワンポイントの血圧値)だけでは、本来の血圧のレベルを推定するのは無理があり、時間軸にそった観察が必要とされています。 病院でのワンポイントの血圧値が低下する原因として、いつもの医師に診てもらうことで安心したり、若年者では昼間血圧は高くても診察室での血圧は正常である場合も見られる様です。 降圧剤を飲んでいて、病院で測る血圧は正常なのに、何故か次第に臓器障害が進んでしまうので詳しく調べてみたら、降圧剤の効果が切れてくる夜間から早朝にかけて血圧の上昇が見られていたというケースもあり「早朝高血圧」といって大きな問題とされています。 この隠れ高血圧を見つける方法は、24時間血圧測定法 ( Ambulatory Blood Pressure Monitoring : ABPM )といって簡単な機器で活動中も睡眠中も血圧を測定し続ける方法が最も確実です。不整脈の診断の時に用いるホルター心電図(不整脈の頁を参照して下さい)の血圧版のようなものと理解していただけば良いかと思います。睡眠中に血圧測定される事による入眠障害など技術的な問題点はまだありますが、48時間連続で測定したりするとその影響を少なくすることも可能とされています。 ただ、この検査の前の段階として自宅での早朝血圧を計って、病院での血圧よりも常に高い場合には仮面高血圧を疑うことは可能かもしれません。 白衣高血圧の最後にも書きましたが、普段のご自分の血圧を知っておくのは非常に大事なことです。 |
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