運動負荷試験
 
 運動負荷検査とは、運動許容限界と最大酸素摂取量を測定し、同時に負荷が加わった時の心電図の変化を観察するための検査です。

運動の許容限界
 運動許容限界とは、どれくらいの運動強度まで、運動が遂行できるかという運動の許容範囲です。

最大酸素摂取量
 最大酸素摂取量とは全身持久力の代表的な指標で、運動処方には欠かせないものです。

心電図
 虚血性心疾患が存在すると、心臓に負荷が掛かった時にある一定の波形の変化が現われます。
 この変化が強いときには、仮に症状が無くてもかなり危険な状態にあると判断されます。


負荷試験の内容
 運動負荷試験は、エルゴメーター(自転車漕ぎ)上での走歩行時の心拍数・血圧・心電図等を、数種の運動負荷において測定するテストです。


運動負荷検査の実際
 コンピュータに性別、年齢、体重を入力すると初期の運動負荷量が設定され、自転車運動がスタートされます。
 3分経過した後、運動負荷が少し重くなり漕ぐのに力が余計にかかるようになり、さらに3分後また運動負荷が重くなります。
 このように何段階か徐々に強い負荷での自転車運動が行われ、それぞれの負荷時の心拍数・血圧・心電図が記録されていきます。

 心拍数と運動負荷の直線関係は計算式上では無限に続きますが、実際にはどこかの運動負荷に達すると運動続行不可能となります。
 即ち、この時がその人の最大酸素摂取状態で、心拍数が最高のとき出現することになります。
 一応、最高心拍数は[220 - 年齢]で推定されるので、この予測される最高心拍数の90%位(亜最大負荷)を目標に設定し、到達するまで頑張っていただきます。

 このときの心電図変化に問題がなければとりあえず一安心です。
あとは、ここで得られた最大運動負荷量から酸素摂取量(ml/kg/min)が計算されて運動処方が可能になるのです。

如何でしょうか。運動負荷検査のしくみ、理解していただけたでしょうか。




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